昨年に続き、湘南慶育病院脳神経内科の北川泰久先生が趣味で撮影されてきた、日本各地のうつくしい風景写真を展示します。
春

千葉県 いすみ鉄道 桜のトンネル
千葉県の里山を走る、上総中野と大原を結ぶ、いすみ鉄道の沿線周囲には春満載の菜の花と桜の花が咲き誇る。東総元駅の近くに100m位の桜のトンネルがあり、3月下旬、桜満開の時期、ちょうどいすみ鉄道の電車が顔をだした所を撮影した。

山梨県 新倉山浅間神社 桜と富士
新倉山浅間神社は日本人の心の故郷である、桜、富士山、神社を一ヶ所でみることのできる素晴らしい場所である。駐車場から450段の階段を上ると展望台があり、朱色の五重の塔、満開の桜の遠方に雪を被った富士山がそびえ、昨日降った雪で富士吉田の町が白く光り、風景全体が輝きを増している。

奈良県 吉野山 霞のかかった桜
吉野山は三万本の山桜で覆われ、4月上旬から中旬にかけて広大な桜風景を楽しめ、太閤秀吉の時代から桜の名所として知られている。上千本の花櫓の近くから、雨上がりの霞がかかった中千本と下千本の桜を捉えた。山にかかる霞の中の桜はしっとりとした趣を与えてくれる。
青森県 弘前公園 夜桜
4月下旬、弘前公園は満開のソメイヨシノが咲き誇り、多くの観光客が訪れる。西濠に架かる春慶橋には、ぎっしりと人が集まり、そこからの夜桜に魅せられて一動ともしない。お濠の水面の橋と桜のリフレクションが夜桜風景を引き立たせている。太陽が沈みまだ空が真っ暗にならない青みのあるゴールデンタイムがシャッターチャンスである。
夏

鹿児島県 与論島 百合が浜
与論島の百合が浜は干潮で浮かび上がった小さな砂浜と、波の力で作られた幾何学模様の砂紋の世界となる。砂紋は干潮の時間により、海水に被われたり、被われなかったりするが、一番美しいのは砂紋の溝に海水がわずかに流れ、太陽に照らされてぎらぎらしている瞬間である。
北海道 富良野市 富田ファーム
北海道の美瑛、富良野は風景写真のメッカで、多くのファームで草木の花が咲きほこる。中でも富良野にある富田ファームはウエーブのある広大の丘に数種類の色の植物、花が植えられ、縦に伸びる帯状の光景が美しい。特にラベンダーの紫とポピーの赤が美しい。
沖縄県 石垣島
石垣島には川平湾をはじめ多くの美しい海岸があるが、最北の平久保灯台の近くに、まだ知られていない飛びきり美しいエメラルドグリーンのグラジュエーションを示す海岸がある。雲の行き来と潮の流れの変化により風景は少しずつ変わり、ここだけで3時間幸せなひとときを過ごせた。

秋田県 仙北市 大曲花火
毎年8月の最終土曜日に全国花火大会競技会として、大曲花火が行われる。この1日のために全国から70万人の人が集まり、趣向を凝らした花火師の作品が2万発打ち上げられる。大会のフィナーレを飾る仕掛け花火は横1kmに渡り、40弱の砲台から打ち上げられる。天候、風の向きがよく完璧の写真が撮れた。
秋

長野県 上高地 涸沢
日本一の山岳紅葉といえば、上高地から歩いて6時間半の涸沢の絶景である。赤いナナカマド、黄色いダケカンバなどの木々が斜面にへばりつくようにして様々な色を呈し、錦繍の美しいダイナミックな世界が広がる。10時頃は朝の上昇気流によって踊るように流れる雲がアクセントになる。

山梨県 富士山 河口湖紅葉
河口湖の北岸にはもみじ越しに富士山を撮影できる場所がいくつかある。11月中頃になるともみじは見頃を迎え、朝の8時頃、東から入る朝日により真っ赤なもみじは美しく輝いた。もう少し早い時期にくると様々なもみじの色の混在がしたグラジュエーション見られるが、全部が赤色の大きなもみじには圧倒される。

秋田県 阿仁町 安の滝
秋田県の北部に安の滝というV字渓谷の真中から、二段の滝として垂直に落ちてくる滝がある。滝の周りは紅葉のグラジュエーションの木々に囲まれ、最高の季節を迎える。午後の光の位置により滝には七色の虹が架かりさらに趣きを増す。
京都 八瀬 瑠璃光院
11月中旬から下旬にかけて、京都の瑠璃光院は紅葉が完璧にみがかれた漆黒の机の天板に映り込み、この光景は現実とは思えない幻想的で心が洗われる魅惑の世界である。もみじは左から赤、橙、黄色そして緑と日々少しずつ模様を右にシフトしていき約2週間この風景を楽しめる。
冬

北海道 豊頃町 大津海岸 ジュエリーアイス
北海道の南東の太平洋側にある大津海岸には、海に流れ込む凍った十勝川の氷が海の沖合に移動して、波に揉まれて打ち上げられます。その氷が宝石にように見えることから、ジュエリーアイスと呼ばれ、冬の北海道の名所として注目されています。
長野県 上高地 田代池
上高地は11月中旬を過ぎると車で現地に入ることが出来なくなり、厳冬の世界は釜トンネルを徒歩で行くことになります。2月上旬、トンネルを抜けてから大正池を通過し、しばらくすると山の麓に田代池があり、ここは条件が揃うとカラマツが霧氷で被われ光輝く美しい世界が広がります。午前9時半、山からの朝陽が出る瞬間、池からは靄が立ちこめ、カラマツは眩しくきらめきます。

北海道 釧路 鶴居村 丹頂鶴
北海道の道東の広大な釧路湿原には丹頂鶴が2000羽ほど生息しており、鶴居村には餌付けのための広場があり、丹頂鶴が集まってきます。二羽の鶴が向かい合い空に向かい響きのある声をだしています。このシーンは求愛のポーズとされ、お目出度い場面として貴重とされています。

北海道 流氷 羅臼 大鷲
2月の中旬から3月上旬にかけて北海道の知床半島の東側にも流氷が入り込みます、羅臼の港から出た船からは海一面の流氷の世界が広がり、海岸沿いの森から大鷲が飛来して、船から投げられたスケトウダラをめがけ集まってきます。大鷲の数は多いときで200−300羽とされています、大鷲は羽を広げると2mにも達します。